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2016.7.1(金) イベントレポート
【イベントレポート】16年6月14日『これから働きたいママのためのプレおしごと講座』~アクセサリー作家編~

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6月14日、『これから働きたいママのためのプレおしごと講座』ものづくりコースのアクセサリー作家編を開催しました。
講師としてお招きしたのは、アクセサリー作家のMichi(みち)さんです。

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【講師プロフィール】
アクセサリー作家 Michiさん
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茅ヶ崎市出身、鎌倉市在住。映画撮影機材の輸入販売の仕事をしていたが、第2子出産を機に退職。現在は、小学校2年生、幼稚園児(年中)の2児の子育てをしながら、アクセサリーブランド「To The Beach」をプロデュース。ネットショップやフリーマーケットでの販売や、セレクトショップ等への卸売も行う。

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Michiさんのお話をダイジェストでご紹介します。

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【目次】

Ⅰ 開業までのプロセス(始め方のポイント)
Ⅱ 開業後のプロセス(広げ方のポイント)
Ⅲ 成功のポイント
Ⅳ 現在のワークスタイル(1か月のスケジュール/1日のスケジュール)
Ⅴ 働く上で大切にしていること

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開業までのプロセス(始め方のポイント)

◆もやもやしていた専業主婦生活。ハワイのジュエリー作家との出会いが転機に

―Michiさんが現在のお仕事を始めることになったきっかけを教えてください。
きっかけ

Michi : 2011年の次男出産を機に、映画撮影機材の輸入販売の仕事を辞めました。しばらく専業主婦をしていたのですが、ハードな仕事から一転して育児・家事のみの生活になると、「自分の存在価値はなんだろう」「夫の収入だけで生活していいのだろうか」と悩むようになってしまったんです。当時は、子どもに対してもイライラすることが多く、何か新しいことを始めて自分を磨くことで、子どもとの関係性がより良くなるのでは、と考えるようにもなりました。
そんなとき、ハワイで素敵なジュエリー作家の方に出会ったことが転機になりました。影響を受けてアクセサリー作りをしたいと思うようになり、友人向けに作り始めたことがきっかけですね。

―元々、アクセサリー作りをしていたわけではなかったんですか?

Michi : していませんでした。でも、女性を美しく見せる仕事に興味があったんです。ただ始めた当初は技術がなく、先生もいなかったので、たくさん失敗しました。改良を繰り返しながら現在のスタイルにたどり着きました。

 

◆小さい子を抱えながらも全国展開できるネットショップを開設

―事業を始めるにあたって、まずはネットショップを開設されたそうですね。

Michi : はい。下の子がまだ小さかったこともあり、外に出て売り歩くのは現実的ではありませんでした。そこで、まずは子育て中も手軽にできるネットショップを開設しました。ただ、私はそういったことが苦手なので、友人に作ってもらいました。

―ネットショップであれば、全国に販売できますね。ネットショップに関するサービスは数多くありますが、ここでは代表的なものを簡単にご紹介します。
下記をご覧ください。左側にいけばいくほど初心者向けで簡単に利用できるサービス。右側のほうは少し専門知識がいるけれど、本格的に作り込むことができるサービスです。

ネットショップ

はじめは初心者向けのサービスを使ってオープンし、実際に販売しながら試行錯誤を重ねていくのがいいでしょう。ただし、どのサービスを利用するにせよ、お客様の個人情報を取り扱うことになります。発送ミスや情報漏えいがないよう十分に注意しなければなりませんね。

 

開業後のプロセス(広げ方のポイント)

◆卸売りの開始。まずはよく通っていたお店に声を掛けた

―ネットショップを開設した約3か月後に、飛び込み営業をして事業を拡げたと伺っています。どのように営業されたのでしょうか?
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Michi : ネットショップを友人に作ってもらったのはよかったのですが、友人がいないと何もできない状況でした。これではまずいと感じ、自分でも販路を開拓しようと思ったんです。以前営業職をやっていたこともあって、営業に抵抗はありませんでした。でも、皆さんが「営業」と聞いて想像するようなビジネスライクな営業とは少し違うかもしれません。
まずは、馴染みのパンケーキ屋さんに声をかけました。よく通っていたので、気軽なトーンで「アクセサリーを置いてもらうことはできないですか?」と聞いてみたら、OKを貰うことができたんです。皆さんも、お店や店員さんの雰囲気などが好きなお店があれば、声をかけてみるといいと思います。

―実際に通っていて、ある程度関係性があるお店だと声もかけやすそうですね。卸売りを始めてみて、いかがでしたか?

Michi:当時は始めたばかりだったので、どんなデザインのアクセサリーを作ればいいのか分からず、とにかく試行錯誤していました。お店が出すパンケーキやジュースに合うものを考えたり、ランチタイムに来るママさんたちをターゲットにしてディスプレイを工夫したりしましたね。
その甲斐あってか、葉山の『SURF DAY STORE』(現『PLAY GRAND』)のスタッフさんが、そのアクセサリーを購入してくださり、さらに事業が広がっていきました。ショップ展開に合わせて「うちにも置きませんか?」とオファーをくださったんです。
オファーをいただいたことで自分の商品に自信が持てるようになり、憧れのお店だった七里ヶ浜の『Seven Miles Club』にもチャレンジしました。本格的な飛び込み営業と言えるのは、これが初めてでした。とても緊張しましたが、無事に置いていただけることになり嬉しかったです。

―素晴らしい連鎖ですね。卸売り先のお店の方にアドバイスを貰うこともあるのですか?

Michi : 優しくも厳しいアドバイスをたくさんいただきました。特に、『Seven Miles Club』の方には、お店にどんな嗜好のお客様がいらっしゃるのか、どんな販売方法がいいのか等を教えてもらいましたね。
「作ったアクセサリーを自分で使ってみて」というアドバイスもいただきました。その通り実践してみると、壊れやすさ、変色具合、邪魔なパーツ等がわかってくるんです。
時には耳が痛いアドバイスを頂戴することもありますが、言っていただけるのはとても有難いこと。素直に聞き入れて糧にすることが重要だと思います。

―そして、現在はSPORTIFF、globlue、銀座東急プラザ、ZAIMOKU THE TERRACE(7月オープン予定)など、6店舗と取引されているんですよね。湘南エリアだけでなく東京にも進出されていますが、お店や土地柄で売れるものは変わりますか?

Michi : やはり、いらっしゃるお客様の年齢層も好みも違いますから、売れるものも変わってきます。ヒトデを乾燥させたものやビーチグラスを素材に使うこともありますが、エリアによってはなかなかその魅力をわかっていただけません。苦悩の連続で、売上ゼロという辛い思いをしたこともあります。
東京で出店する場合はあまり海の色調を全面に出さないようにし、シックなデザインを多めにするなどのアレンジをしています。

◆フリマイベントへの参加。仲間との出会いや気づきも多い

―Michiさんは、その後、七里ヶ浜のフリマイベントにも出店されるようになったそうですね。

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Michi : はい。2013年から出店を始めて、以前よりは回数を減らしていますが、現在も参加しています。夏の暑さや冬の寒さ、子どものトイレ問題等、大変なことも多いですが、学びが多いので、イベントへの出店はとても大切にしています。

―イベントを通じて、他の作家さんとの出会いもあるそうですね。

Michi : はい、お互いにさまざまな苦労をしているので、励まし合いながらやっています。継続して出店している作家は、やはり想いを持って取り組んでいる方が多いので、とても刺激になります。

 

成功のポイント

―同じイベントに繰り返し出店し続けることで、Michiさんはご自身のマーケティングを確立されていったのですね。では、ここで「マーケティング4P」に沿って、あらためてMichiさんの成功のポイントについて整理したいと思います。

成功ポイント

―「マーケティングの4P」というのは、「Place(販路)」、「Product(商品)」、「Price(価格)」、「Promotion(販促)」の頭文字を表しています。どんなビジネスをするにしても役立ちますので、是非知っておきましょう。

◆Place(販路)~お客様との出会いを大切に~
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―まずはPlace(販路)に関してお聞かせください。Michiさんは、ネットショップ、卸売り、イベントへの出店をされています。それぞれの販路について伺っていきましょう。
まずはネットショップ。現在、ネットショップはイベントや店舗で出会ったお客様の受け皿としての立ち位置なのだそうですね。

Michi : はい。例えば、イベントに来てくださったお客様にたまたま持ち合わせがないというケースもあります。そういったときには、ネットショップをご案内しますね。
また、ネットショップを見てバイヤーさんがイベントへの出店のお誘いをしてくださることもありますし、大きなイベントに出店する際は、申し込み用紙にホームページを書く欄があるケースが多いです。何かしら、ネット上の窓口は必要でしょう。

―Promotionの機能も兼ねているんですね。
次は卸売りについて伺いましょう。Michiさんは、最初のころは営業をするなど積極的に販路を拡大されていましたが、現在は、徐々に店舗の絞り込みをされているそうです。なぜでしょうか?

Michi : 卸売りさせていただくのはとてもありがたいことですが、どうしても作ることができる商品の数は限られます。また、卸売りのときは“7掛け”が基本。つまり、売上の30%程度は置いていただいているお店にいくということですね。ですので、どういったお店に置けば、自分の商品がより多くの方に選んでいただけるのか、よく考えるようにしています。
イベントでの販売はどうしても季節によって売上が変動してしまいますが、卸売りは、一年を通してある程度安定しています。“7掛け”などの難しさもありますが、卸売りはとても魅力的な販路です。

―販路の特徴を理解して、うまくバランスをとることが大切なのですね。
次は、イベントへの出店について伺いましょう。Michiさんはイベントへの出店をとても大切にしているそうですね。

Michi : はい。イベントへの出店は、対面でお客様の反応を見ることができるので、とても大切にしています。
例えば、私は定期的に新しいデザインを追加するのですが、イベントで販売していると直にお客様の反応を見ることができます。何がどう良かったのか、何がどう悪かったのかが、とてもリアルに分かります。
また継続的に出店することで、「ここに来れば会える」という状態がつくれるので、壊れてしまった商品のリペアもお受けしたり、お客様と継続的な関係を築くことができます。通ってくださるお客様がどんどんおしゃれになっていく様子が見られるのが、とても嬉しいです。

 

◆Product(商品)~オリジナルで高品質な商品

Product

―Michiさんは、オリジナルで高品質の商品を作ることで、競合との差別化を図っていらっしゃいます。具体的には、どのような工夫をされているのですか?

Michi : デザインに関しては、品質の高いものを見て感性を磨くようにしています。例えば、百貨店の高級なアクセサリーや自分とは全く違うテイストの海外のアクセサリーや洋服などを見ることが多いですね。自分の引き出しにない色合いや形に触れることをとても意識しています。また、百貨店の高級なアクセサリーは、その工法もじっくり見るようにしています。このように自分の引き出しを増やす工夫をしながら、あとは、海を散歩したりして、インスピレーションを得ています。
品質に関しては、自分で作ったアクセサリーを実際につけることで、機能性や耐久性のチェックをしています。私は男児2人の母で、息子たちと日々バタバタ走り回りながら過ごしているので、どうしても使い勝手が荒くなってしまうんですよね。そういった生活に耐えられる品質のアクセサリーであれば、自信をもって販売することができます。

 

◆Price(価格)~安易な値下げは行わず、ブランドの価値を守る~

Price

―販売価格の設定は、皆さんとても迷われるところだと思います。Michiさんはどうされていますか?

Michi : 私も最初は勝手がわからず、苦労しました。全て一律にして安価で売ってしまったこともあります。でも、それでは、次に販売するための材料を仕入れると手元に何も残らず、自転車操業になってしまうんです。今は、仕事として継続可能な金額で値段を設定するようにしています。

―もちろん商材にもよりますが、一般的にものづくりにおいては、原価は20%と言われています。原価が20%ということは、販売価格は原価の5倍を目安ということですね。

Michi : 品質良い素材を仕入れるための材料費、出店料、卸売りの手数料などを考えると、仕事として継続可能な金額としてはこれくらいが妥当かもしれませんね。趣味としてアクセサリーつくりをするのならば、500円1000円で販売してもいいのですが、仕事として継続可能な金額というものがあると思います。もちろんそういった値段をつけるということは、それに見合うだけのデザインや機能性が求められるので、プレッシャーもありますが。大切に使っていただけるブランドでありたいので、安売りはしないようにしています。
またシーズンオフの商品等は割引する場合にも、「定価の○%オフ」と定価をしっかり明記することで、元々その商品にどれくらいの価値があるのかを伝える工夫をしています。きちんと自信を持てる商品を提供しているのであれば、納得してついてきてくださるお客様はいらっしゃると信じています。

 

◆Promotion(販促)~商品を引き立たせるディスプレイの追求~

Promotion

―プロモーションに関しては、商品を引き立たせるディスプレイや見せ方を追究されているそうですね。

Michi : はい、せっかく心を込めて作った商品ですから、出来るだけキレイに見えるディスプレイで販売したいと思っています。ディスプレイの仕方は、ハンドメイド商品のディスプレイではなく、百貨店などのディスプレイを見ることで学んでいます。例えば、お花屋さんや家具屋さんなどのディスプレイもとても参考になります。
最近は、バッグや洋服を作っている他の作家とのコラボも始めました。アクセサリーを服やバックとコーディネートしてディスプレイすることで、商品の魅力をより引き立てることができます。セレクトショップのようなものですね。

 

現在のワークスタイル(1か月のスケジュール/1日のスケジュール)

―Michiさんの1か月のスケジュールを拝見すると、「一体どこでアクセサリーを作る暇があるんだろう」と思うほど、お忙しそうですね。

月

Michi : そうですね、幼稚園の役員の仕事や子どもの習い事など、一般的なお母さんのスケジュールと変わらないです。アクセサリー作りのためにまとまった時間を確保するのではなく、1時間前後の隙間時間を活用しています。私の場合には、そのほうが集中して作業できるので。
子どもたちの就寝後に作ることもありますが、最近は一緒に寝てしまう日も多いです。スマホをいじる時間など、“なんとなく”消費してしまう時間をなくせば、時間は捻出できるのではないかと思います。

日

働く上で大切にしていること

◆“お金はつくるもの”だということを子どもたちに伝えたい

―最後に、働く上で大切にしていることをお聞かせください。

Michi : 子どもたちには、「貧乏だから働く」のではなく、「もっと楽しいことをするためにお金をつくっている」と繰り返し伝えています。例えば、私が働くことで、旅行に行けるかもしれませんし、子どもたちのユニフォームを買ってあげられるかもしれません。
息子たちには、仮に将来お金に困ることがあっても前向きに「お金をつくろう」と思える人になってほしい、と思っています。だから、うちでは、子どもに実際のお金を積極的に見せるようにしています。お金を実際に子どもたちの目の前に出して、「食費」「光熱費」「習い事のお月謝」…というように、分けて見せたこともあります。
自分たちが生活しているお金がどのようにして作られているかを分かっているので、子どもたちもとっても応援してくれますね。イベントについてきた息子に「ママ、売れた?」なんて聞かれてしまうこともあります(笑)。

―お子さんの学びになる素敵な教育法ですね。

◆小さなことでイライラしない!考えるよりまず行動を

Michi : 小さなことでイライラしないことも大切だと思います。私自身、完璧な人間ではないですし、子どもたちが出来ないことに対してイライラしないようにしたいですね。
また、考えるより行動してみることは大切だと思います。「このままでいいのかな」という悩みを私もずっと抱えてきたのですが、ほんの少しのアクションで構わないので、一歩前に進んでみるといいのではないでしょうか。

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具体的な事業の広げ方、成功ポイント等をお話いただきました。いかがだったでしょうか。Michiさんの前向きなお話を聞いていると、勇気が湧いてきますね。ぜひはじめの一歩を踏み出す際の参考になさってください。